むぅちゃんの日記

ゆるゆるとオタ活してるむらかみの日記です

憧れのはなし

 小さいときは色々なものになってみたかった。パティシエとか政治家とかパイロットとか医者とか、分かりやすく身の回りで仕事が見えて、かつかっこいいなと思える職業には一度は憧れた。

 そのなかには、アイドルも確かにあった。テレビとか舞台とかにでる役者になりたいときもあった。多分、ちやほやされたかった。周りの「憧れ」になってキラキラして「好き」って言ってもらえる、そんな存在になりたかった。

 いや多分、もしも自分が理想の姿になれるなら、今だってアイドルとか役者とかになりたいんだと思う。なれないとすぐに否定してしまうぐらいに知恵がついてしまっただけで。

 今でも強烈な憧れがあることは自覚してあるけれど。アイドルとか役者とか、それをやっていて好きってファンから思ってもらってる人って本当にすごいと思う。生きてるだけで、他の誰かが生きていることを楽しいと思える職業ってそうそうない。そんな何かになりたいなんて、あまりにも稚拙な思いからは未だに抜け出せない。

 役者として舞台に立っている人たちは、若い。いくつも年が離れていない。私が今見ている舞台では、最年少の役者はもう年下だ。何になりたいとか、どうしたらそれになれるのか、私はまだ何も見つけられていないのに、彼らはもう自分の夢というものを掴んでいる。眩しくて、輝いて見えて、そして単純にたまらなく羨ましいと思う。

 そんな気持ちもないまぜになって、私はいま舞台俳優を応援している。ただそこにいるだけで、格好良くてきらきらした存在の彼らに、そのままの憧れでいて欲しいという身勝手な理想を押し付けながら。私は舞台を見に行く。